個人事業主として活動している方々にとって、マイクロ法人を持つことは一つのステップアップとして非常に有効です。
法人を持ったことがない方も多いかと思いますが、私の経験を通じて、マイクロ法人を6年間運営して感じたメリットとデメリットを詳しくお伝えします。
マイクロ法人の作り方
マイクロ法人の作り方については、こちらを参照ください。
設立手続きや必要書類について詳しく説明しています。
マイクロ法人とは
- 小規模な運営:
- 社員数が少なく、多くの場合、社長一人だけの法人です。場合によっては、少数の従業員を雇うこともあります。
- 事業規模が小さく、主に個人事業主やフリーランスの延長線上で運営されます。
マイクロ法人のメリット
社会保険料を自分でコントロールできる
最大のメリットは、社会保険料を自分でコントロールできることです。
会社員の場合、給料から自動的に税金や社会保険料が天引きされます。
しかし、法人を持つことでこれらの問題を解消できます。
社会保険料は4〜6月の給料額で決まるため、
この期間の給料を調整することで1年間の保険料をコントロールできます。
法人で最低限の報酬を設定することで、支払う社会保険料を最低ランクに抑えつつ、手厚い公的保険の恩恵を受けることができます。
高所得者でも低所得者でも、社会保険の恩恵は平等に受けられます。
公的保険のありがたみ
日本の社会保険制度は非常に手厚く、病気や怪我をしても現役世代は3割を支払うだけで済むというメリットがあります。
民間の保険と比較しても、そのコストパフォーマンスは非常に高いです。
自営業やフリーランスの方にとって、こうした公的保険の存在は非常にありがたいものです。
税金のコントロール
法人を持つことで、税金をある程度コントロールすることができます。
個人事業主の場合、売上がそのまま所得として扱われるため、所得税の負担が大きくなります。
しかし、法人の場合、会社の経費として計上できる項目が多いため、課税所得を減らすことができます。
また、法人税率も所得税率より低く設定されているため、全体の税負担を減らすことが可能です。
マイクロ法人のデメリット
もちろん、マイクロ法人にもデメリットがあります。以下に主なデメリットを挙げます。
赤字でも法人住民税・県民住民税を払う必要がある
法人を持つと、たとえ赤字であっても法人住民税と県民住民税を払わなければなりません。
最低でも年に7万円の住民税が必要です。
法人を廃業しない限り、この税金は払い続けなければなりません。
また、廃業にも手続きや費用がかかります。
法人住民税や県民住民税の支払いは、収益が少ない時期でも継続して必要になるため、一定のキャッシュフローを確保しておく必要があります。
毎年確定申告が必要
法人を持つと、売上がなくても毎年確定申告を行う必要があります。
確定申告は、事業年度が終了した後に税務署に対して行うもので、法人税や住民税の申告が必要です。
これには一定の時間と手間がかかり、特に事業規模が大きくなると、税理士などの専門家に依頼する必要が出てくる場合もあります。
確定申告の手続きには、売上や経費の記録を正確に行う必要があり、これを怠ると罰則を受ける可能性もあります。
法人の設立や運営にかかる手間と費用
法人を設立するには、定款の作成や登記手続きが必要で、これには一定の費用と時間がかかります。
法人設立後も、定期的な報告義務や各種手続きが求められます。
例えば、役員の変更や事業内容の変更があった場合は、法務局への届け出が必要です。
また、社会保険や労働保険の加入手続きも法人化すると必須となり、これらの手続きも時間と労力を要します。
まとめ
今回はマイクロ法人を6年間運営して感じた良い点を中心にご紹介しました。
マイクロ法人を持つことで、社会保険料や税金をコントロールできるという大きなメリットがありますが、赤字でも住民税を支払う必要があることや、毎年確定申告が必要なことなど、デメリットもあります。
個人事業主としてスタートしたばかりの頃は、年7万円の住民税は厳しいかもしれません。
そのため、まずは個人事業主として売上をしっかりと作り、その後に法人化を検討するのが理想的です。
法人化には設立にかかる時間や手続きが必要ですが、節税効果を考えると一考の価値があります。
法人を設立することで得られるメリットを最大限に活かし、ビジネスの発展に繋げてください。
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