私はQYLDなどの海外ETFから配当金をもらっています。
最初は「外国税額控除って何それ?」「難しそうだし面倒…」と完全にスルーしていました。
でも調べてみると、ちゃんと申告すれば10万円以上も還付されることがあるとわかって驚きました。
実際、私自身も確定申告をしてしっかりお金が戻ってきたんです。
知らないままでいたら損するだけ。
このページでは、外国税額控除のしくみから申告のやり方まで、初心者でもわかるように図表・図解つきで解説します。
あなたも「よくわからないからやらない人」から、「やって得する人」に変わりましょう。
外国税額控除のやり方|6ステップ早見表
ステップ | やること | ポイント・注意点 |
---|---|---|
① 証券会社の年間取引報告書を用意 | 楽天証券・SBI証券などの証券会社から、「取引報告書」や「特定口座年間取引報告書」をPDFでダウンロードできる | 電子交付か郵送かで探す場所が違うので、自分の証券会社の「税関連書類」の欄を確認 |
② 外国で引かれた源泉徴収税額を確認 | 海外ETFの配当では通常10%程度取られている | 「支払通知書」や「配当‐支払報告書」に税率が明記されているはず |
③ 申告方法を選択(総合課税または申告分離課税) | 他の所得や控除との兼ね合いでどちらが有利か変わる | 国税庁のHPや税務所の相談窓口も活用すると安心 |
④ 外国税額控除に関する明細書を作成 | e‑Taxまたは紙の申告用紙で「明細書」を添付 | 「国外所得」「税額」「配当の出所」などを正しく書くこと |
⑤ 控除限度額を計算 | 所得税 ×(国外所得 ÷ 総所得)の式で算出 | 総所得には国内外すべての所得を含め、国外所得には配当以外の外国所得も入れる |
⑥ 確定申告書B等と一緒に提出 | 確定申告書B・第三表・明細書を税務署またはe‑Taxで提出 | 提出期限を守ること、誤記や添付漏れをチェックすること |
外国税額控除でいくら戻る?配当金の具体例でシミュレーション

JEPQの配当で1万円引かれた場合
外国税額控除を使えば、JEPQの配当から引かれた1万円が戻ってくる可能性があります。
理由は、米国で源泉徴収された税額が控除対象だからです。
具体例
項目 | 金額 | 内容 |
---|---|---|
年間配当 | 100,000円 | 海外ETFからの配当 |
源泉徴収額 | 10,000円(10%) | 米国で差し引かれた税金 |
日本の所得税 | 772,500円 | 所得税の計算ベースからの額例 |
国外所得(配当以外含む) | 200,000円 | 例として配当10万円以外に外国所得が10万円ある場合 |
総所得 | 6,000,000円 | 国内外すべての所得合計と仮定 |
控除限度額 | 25,750円 | 772,500 ×(200,000 ÷ 6,000,000)で計算された上限額 |
控除限度額の計算: 772,500円 × (200,000円 ÷ 6,000,000円)= 25,750円
この場合、引かれた1万円は全額控除可能となります。
控除限度額の式は、覚えてしまえば意外と簡単です。所得に対する外国収入の割合を出すだけだからです。
控除限度額 = 所得税 ×(国外所得 ÷ 総所得)
📊 外国税額控除シミュレーター
以下の項目を入力すると、自動計算されます。
🧾 源泉徴収額(10%):0 円
🌐 国外所得(税引前):0 円
🧮 控除限度額:0 円
✅ 戻る可能性のある金額:0 円
この式で求められます。
注意点: 配当以外にも給与所得や事業所得などがある人は、総所得に占める国外所得の割合が小さくなり、控除限度額が減ってしまう場合があります。
住民税でも控除できる?繰越控除の仕組みとは
控除しきれなかった外国税額は、住民税でも一部が控除可能です。
住民税の控除限度額: 住民税所得割額 × (国外所得 ÷ 総所得)
さらに、所得税・住民税どちらでも控除しきれなかった場合は、翌年以降3年間まで繰り越して控除できます。
繰越控除の例: 今年10万円の外国税があり、そのうち3万円しか控除できなかった場合、残りの7万円分を翌年以降3年間で控除可能です。
重要な条件: 繰越控除を利用するには、毎年の確定申告を欠かさないことが必要です。申告を忘れると繰越控除の権利を失うため、継続的な申告が大切です。
外国税額控除とは?制度の目的と仕組みを解説

控除の対象になる人・対象外になるケース
控除対象になるのは「国外所得があり、申告をする個人や法人」で、対象外になるのは “申告不要” の制度や NISA を使っている場合です。
控除は「外国で支払った税額を、日本で支払う所得税から差し引く」制度。
申告がなければ調整できないし、課税されない所得には控除の余地がないからです。
具体例:
ケース | 海外所得あり? | 確定申告する? | 控除対象になるか |
---|---|---|---|
A:特定口座(源泉あり)+申告あり | はい | はい | ✔ 対象になる |
B:NISA口座で受け取り | はい | ‒ (課税なし) | ✖ 対象外 |
C:申告不要制度を利用中 | はい | ‒ | ✖ 対象外 |
自分がどの口座で受け取っているか、また申告の義務があるかどうかを確認することが第一歩です。
NISA口座や申告不要制度では控除できない理由
これらの制度を使う場合、日本での所得税が課されないか申告しない状態になるため、控除の計算対象外になります。
外国税額控除は「日本での所得税額 ×(国外所得 ÷ 総所得)」で控除限度額を決め、実際支払った外国税の一部または全部を差し引くものですが、日本側の税がゼロか対象外なら計算できないのです。
具体例:
- NISAであれば配当は非課税 → 日本の所得税に含まれない → 控除できない。
- 申告不要制度を選択している場合、そもそも確定申告をしていない → 明細書等を提出しないため制度が使えない。
投資戦略を立てる時、NISAのメリットと「控除できないデメリット」の両方を考慮すべきです。
外国税額控除の申告に必要な書類と注意点まとめ

用意する書類一覧(証券会社ごとに若干違いあり)
以下は必須書類と追加であると便利な書類の一覧です。
書類名 | 用途 | 注意点 |
---|---|---|
特定口座年間取引報告書 | 年間配当額・外国税額の確認 | 証券会社の電子交付画面または郵送書類で取得 |
支払通知書(または外国税控除証明) | 米国で源泉徴収された税額の証明 | 「配当支払通知書」などの名称で交付されることも |
外国税額控除に関する明細書 | 控除対象額などを記入し、申告書に添付 | 国税庁公式サイトからダウンロード可能 |
確定申告書B・第三表 | 所得税や控除を申告する正式な書類 | 控除欄の記載ミスが多いので要チェック |
証券会社によって「支払通知書」「交付書面」の呼び方や入手場所が違うので、会社のサイトで名称を確認してから探すのが安心です。
「明細書」や「支払通知書」はどこでもらえる?
証券会社のウェブサイト内「交付書面」「税関連書類」のページからダウンロード可能です。
多くの証券会社は電子交付に対応しており、オンラインでPDF書類を提供しているからです。
具体例:
証券会社 | 書類の取得場所 |
---|---|
楽天証券 | 「電子交付書面」→「交付書面PDF」→「配当・支払通知書」 |
SBI証券 | 「取引報告/税関連」→「交付書面」→「米国配当・税金情報」 |
マネックス証券 | 年間取引報告書ダウンロードページ+外国税の項目が記載 |
ログイン後に「税」「配当」「交付書面」などのキーワードで検索すれば、大体すぐ見つかりますね。
よくあるミスと対策(控除漏れ・記入ミスなど)
控除漏れや入力ミスは、制度を知っていても、書類準備や計算時の細かいミスで損をするケースが多いです。
書類名の見落とし、支払通知書の取得忘れ、明細書記入の抜け、源泉徴収額の記入ミスなどが原因です。
具体例と対策:
ミスの種類 | よくあるケース | 対策 |
---|---|---|
控除明細書を添付し忘れる | 確定申告時に明細書欄を見逃す | 申告前に「明細書の有無」をチェックリストで確認 |
支払通知書が手元にない | 証券会社の電子交付を見ていない | 交付書面を毎年ダウンロードする習慣をつける |
算式の入力間違い | 外国所得÷総所得の割合を誤記 | 表計算ツールで一度計算して結果を検算する |
数分の確認作業を増やすだけで、何千円~何万円の還付につながるので、必ず対策をすることをおすすめします。
【まとめ】外国税額控除でETF配当の手取りアップを目指そう!

確定申告をきちんと行うことで、年間配当に対して米国で引かれた税金を取り戻せる可能性があります。
たとえば、配当50万円に対して5万円が米国で源泉徴収されているなら、条件さえそろえばその全額が戻るケースもあります。
これは数万円の手取り差になり、長期的な投資成果にも影響します。
毎年税制を確認しつつ、この制度を活用することが資産運用の効率を高める鍵です。
「難しい」と敬遠せず、制度を味方につけることで、投資家としての収益性を1歩上げていきましょう!
この制度を味方につけることで、投資家としての収益性を1歩上げていきましょう!
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